サウナについて

 つい先日、友人と喫茶店でおしゃべりしていて、「kawaiiはトリップ系好きすぎんか?」と言われ、え、みんな好きなのでは?と。トリップ系というと、クスリなんかを連想してしまいがちだけど、ダメ、絶対のやつではないのでご安心を。ここでいうトリップ系とは、脳内を脳汁でどっぷり浸して、日々のしがらみ、悩み、ストレスなどを一切合切ぽーっんと投げ捨てて、リセットするようなことを言う。つまり、意識をぶっ飛ばすということだ。

 

 人間誰しも気持ちよくなってしまうことは好きでしょ。例えば、スポーツで汗ながして爽快な気分になるのなんて誰でも経験はあることだと思う。ランニングしていると頭がスッキリしてきて、肺も足もしんどいけど、気持ちは高揚してくる。他にも、セックスなんてのは気持ちいいの代名詞で、人によるだろうけど、相性さえ良ければ気持ちよくなれる。でも、スポーツで気持ちよくなろうとすると、体力的にしんどかったりするし、今の季節、寒さで重い腰が上がらないなんてことも多々あるはず。セックスもお相手が、しかも高いシンクロ率を出せるお相手がいないとそこまで至れない。状況によっては色々と障害が立ちふさがる。そこで、今回の本題である、お手軽で一人でも気持ちよくなれるサウナの魅力を書いていこうと思う。

 

 ここまで、サウナ最高みたいな雰囲気で書き進めていきそうな僕も、サウナ入門は2、3年前で大学生になって、スーパー銭湯に行くようになってからサウナの良さに気づいた。なので、まだまだサウナ初心者ではあるが、色々な人にサウナーになってもらうべく、kawaii流初めてのサウナ指南書なるものを書いていく。ちなみに、ガチのサウナ店には行ったことがないので、スーパー銭湯の一施設としてのサウナを前提に紹介していく。

 

 ①身体を洗おう

まず、普段の銭湯に入る時と同じように、頭と身体を洗う。ここはマナーの問題なので、「俺は掛け湯だけして、最後に洗うんじゃ」という人はご自由に。

 

 ②湯に浸かろう

身を清め終わったら、いきなりサウナに入らず、湯で身体を温める。ここでしっかり、身体の芯から温めておくことで、サウナに入ってすぐに汗がかけるようになる。逆に、ここの湯に浸かるのをおろそかにすると、サウナで十分に汗をかく前に、暑さに耐えきれなくなってしまい、水風呂が冷たく苦痛になるので注意。風呂は心の洗濯とも言うように、お湯に浸かるだけでも気持ちよくなってしまうが、より高みを目指して、20分前後を目安にのぼせる前にサウナへ向かう。

 

 ③サウナに入ろう

いざ、サウナ入室、の前に、持ち込んだタオルで身体についた水滴を拭いておく。水滴がついてると汗をかきにくくなる。身体についた水分の気化熱が〜とか関係してるのかも。そして、やっとのことで、サウナへ。サウナに入ったことある人は知っいてると思うけど、サウナの中は階段状になっていて、上に行くほど高温になる。空いていたらもちろん最上段を確保する。誰も先客がいなかったりすると、やったあ独り占めだと嬉しくなったりもする。けれど、だいたいはおっさんが何人かいるし、時々寝てるおじさんもいる。

サウナにかけてある時計は秒針と分針のみで、分針は12分で一周する。サウナの温度も施設によって違うので、自分のペースでどれだけ入るか決めればいいけど、無理しすぎると倒れてしまうし、短すぎると水風呂に入った時に寒すぎる。ちょっとしんどくなってきたけど、まだそんな時間経ってないし、あの人が出たら自分も出ようなんて考えていると、猛者が相手だったりするので、我慢比べはほどほどに。だいたい、汗がにじんできて、タオルで拭いて、もう一度にじんできたくらいが出るタイミングには良いかも。

暑い中、じりじりと耐え汗をかくのが、第一の気持ちいいポイント。でもまだ汗をかいただけで、ここではサウナの気持ちよさの一割くらいしかまだ味わえていない。サウナという行為はサウナという施設だけでは完結しないのだ。

 

 ④水風呂に入ろう

限界まで耐え忍んで、やっとの事で常温の外気に身をさらすことができたら、隣の水風呂へ。非サウナーは口を揃えて、水風呂は苦手というが、水風呂がなかったらサウナに入る意味がない。水風呂に入るためにサウナに入るといっても過言ではない。暑さを我慢し汗をダラダラに流して、そのご褒美が水風呂だ。

水風呂に入った瞬間、「んああーーー」と自然に口から言葉になり損ねた言葉たちが出てくる。身体中の細胞がびっくりして踊りだす。筋肉は水風呂の冷たさに緊張する。頭蓋骨の中からは、じわじわと脳汁の滲み出るのが伝わる。頭の中が真っ白になって、すべてのことが頭から抜けて、生まれ変わったかのような感覚になる。ここが第二の気持ちいいポイント。ここで微トリップできる。でも、まだまだ脳汁も滲み出る程度で、サウナの気持ちよさの三割。

 

 ⑤座って外気浴しよう

2、3分水風呂に浸かったら、身体が冷え切ってしまわないうちに出て、座れる場所を探す。あとはただただ脱力して座るだけ。背もたれがあると尚よし、寝転がると帰ってこれなくなる。身体の芯がしっかりと温まっていれば、身体の内からぽかぽかぽかじわじわじわと温かくなってくる。身体も頭も脱力して、意識がふわっふわして、視界がとろんとして、自分の身体を含めて世界のすべてがとろけてくる。ここにきて脳汁のダムが決壊してドバドバと溢れ出す。まさに合法麻薬。もう意識はそこにはなく、この世のどこかにトリップしてしまう。この瞬間のためにサウナに入っている、サウナのクライマックス。ここが第三の気持ちいいポイント。サウナの6割の気持ち良さはここに集約されている。このトリップを一度味わってしまえば、サウナが好きじゃないなんて言えなくなる。

 

あとは、自分の体力が続く限り、③→④→⑤をセットで繰り返す。自分次第で何度でもトリップできる。これ以上お手軽で安全なトリップ方法を僕は知らない。

十分、サウナを楽しんだら最後にお湯で身体を温めて銭湯終了と。

 

 

 ひとつ注意としては、セット間には水分補給は忘れずしたほうがいい。サウナーの中には、水分とらずに汗を絞り出して、身体をカラッカラにして、銭湯からでた直後のビールを楽しみにしている人もいるけど、心臓病への特急券なので参考にしないほうがいい。

 

 

 これでサウナ入ってみようかなと思う人が少しでもいれば、欲をいえば、サウナの魅力発見のきっかけになってくれれば幸いかな。