就職について

※綺麗事多シ、注意セヨ

 

 中高大と友人に一度は言われたセリフがある。

「お前は普通に企業に就職する未来が見えない。」

僕を買ってくれているのか、はたまた社会不適合者だぞ、とオブラートに包んで貶しているのか。とにかく今の僕が言えることは、

「働きたくない!」

  僕は現在、大学4年生だ。院進するつもりなので就職活動というものは未知の世界である。何も知らないが故、社会一般の就活へのイメージと僕の就活へのイメージはほぼ同等のものだと思う。自分を押し殺してまで取り繕って、建前で塗り固め、等身大の自分に出番はない。それが悪いとかいうことではない。あくまでも個人的なイメージである。どうせ僕もその立場になれば、そうするだろう。でも、今からそんな就活のこと考えると辟易する。そこまでやっても数多の会社に落とされ、社会からあなたは必要ないよ、と後ろから囁かれる。就活生は就活する前にメンタルを鋼製にでもしてるのではないかとさえ思う。ガラス製のまま挑んだが最後粉砕するのは目に見えている。

  本音を言えば、今やっている研究も本来のやりたいことではない。院進する(まだ受かってないけど)のは就職したくない、それにまだ学生でいたい、という甘えた理由からだ。仮に、楽しめるような、生きがいとなるような仕事に幸いにも就ければいいが、現実はそんなに甘くない。好きなことを仕事にするってこれほど難しいこととは思いもよらなかった。小学生の学習指導要領に追加すべきである。大半の人が経済性の安定を第一にあくせくと働いているように見える。ここまで僕を育ててくれた両親には感謝しているが、僕はそうはなりたくない。家庭を持ったら、また話は変わってくるのだろうけど、当分家庭など築く見通しは立っていない。就職なんてしても、使えるお金が増えるくらいしかいいことが思いつかない。だから、家庭を持たなければ一生フリーターでもいいかも、なんて考えに辿り着いてしまう。妻子持ちの未来を犠牲にして、独りで生活できるだけのお金と+αで一生好きなことやって暮らす生活も。

  以前、友人らと「大金持ちだったら、あえて働くか否か」という議論をしたことがある。もちろんお金さえあれば働かない、という友人もいたが、僕は条件付きの働くという回答だった。自分が情熱を注ぎ込めるような仕事を見つけられれば、いくらお金があったとしても働く、と。問題はそのような仕事をまだ見つけられていないことだ、もしかしたらそんなものは存在しない可能性すらある。働いてみたら意外と天職になることもあるかもしれない、その逆も然り。

  就活をするときに陥ってしまいそうな落とし穴をひとつ見つけたので言っておく。特に僕の周りの人たち(僕も含め)が引っかかってしまいそうなもの。それは学歴にすがらないこと。僕を例にとってみると、「機械工学の修士までいったのだから、技術職、研究職につかないと勿体無い。」これに陥ってしまいそうで僕は怖い。その時一番なりたいものが、ダイビングのインストラクターかもしれないし、水族館の飼育員かもしれないし、編集者かもしれない。他に情熱を注ぐ器が目の前にあっても、学歴にすがって本意ではない職についてしまう落とし穴。恐らく、自分が今一番目指しているところへ踏み出すのは勇気がいることだ。2年後の僕にその勇気があるのかどうか。